「最初はオレンジページを見ながら料理を作っていた。」
はたも~らインタビュー第7段はDeux AMI & Cafe店長である谷本 知優(タニモト トモヒロ)さんを訪ねました。AMIはカフェとブティックが併設した四万十市では数少ないお店。店内からはガラス越しに広がる景色が日々の生活に一息つくにはピッタリの空間です。淹れたてのコーヒーを飲みながら、新しく入荷したお気に入りのワンピースについて考えたり、久しぶりに会ったママ友との女子会が盛り上がって、ついついお迎えの時間も忘れてしまいそう。四万十市にお店をオープンしてから、今年8年目を迎えて大幅にリニューアルを施したお店を訪ねて、”AMIの今までとこれから”について店長の谷本 知優さんにお聞きしたいと思います。
店長 谷本 知優さん(37) かに座 A型 6月22日生まれ
―東京にお住まいだった谷本さんが、ご実家である宿毛に戻られたのはどうしてですか。
「東京におって、バンドしたりとか仕事は肉体労働して今の仕事とは全然関係ない仕事ばっかりしよったがですよ。たまにフラッと帰省した時に、父親の背中を見てウチのおじいちゃんと被ったわけです。あ、帰る時やなと思うて。それがキッカケです。」
―ガテン系からカフェのお仕事に転向するには180度の方向転換ですね。
「洋服には興味がないもんで、”オレには向いてないなー”と思いながら当時社長が宿毛でやっていた服屋を1年くらい手伝ったんです。逃げ出したいくらい、もうやれない言いよったときに今のお店のオーナーが手を引くという知らせが来たタイミングで現在のお店を始めました。最初はオレンジページとかレタスクラブとか見ながらレシピを勉強する日々(笑) 泣きそうでした、ホントに。”オレにどうしろって言うんだ”という感じでした。」
―最初は宿毛市で洋服屋さんをやってたんですね。
「そうです、半年くらいは宿毛でやりよったがです。どうやら自分には、じっとしているのが向いてないみたいです(笑)」
―お店を8年間続けてこられて、最も大きなピンチはどんな時でしたか。
「僕、怒る時かなり怒るんですよ。それで一気に半分くらい辞めたときがありました。申し訳ないなと今でも思いますけど、当時は自分もいっぱいいっぱいやったんでしょうね。それからはあんまり怒らんなったとも言わんですけど…今でも遠慮なく怒ってますね(笑) 昔みたいな怒り方はしないですけどね。」
―売り上げについて伸び悩んだ時期はありませんでしたか。
「今では看板メニューの一つになったスープカレーを出した時にメニューをすごく絞ったんですけど、最初の2ヶ月はガーンと上がって。あとはお金の勘定だけしよったらポツポツ遊びながら出来るんかなと油断したらもうガクーンと落ちて(笑) その時は危機とは思わんかったですけどね、”あ、いかんかったな”って(笑)」
▼リニューアルした店内は、照明がひときわ印象的。
―今回、大幅に店舗をリニューアルされたのは、どうしてですか。
「とにかく、もう恥ずかしいくらいに椅子なんかも汚なかったりして、前々から変えろうと言いよったですけどちょっとずつやっても勿体ないんで一回ドーンとやろうかなと。それと、年配のお客さんがケガこそなかったですけど転んだんですね。破けたソファでズボンに傷付けたお客さんもおったりして、もうこれはイカン思うてやりました。」
―設計は東京でも有名な方にお願いされたみたいですね。
「そうなんです、スゴイ有名な人で西脇一郎デザイン事務所 さんにお願いしました。と言っても知りませんよね(笑) となりのブティックは提案そのままですけど、カフェは家具を変えて床と壁に手を入れたくらいですね。それとテーブルの脚を鉄工所にお願いしてオリジナルで作ってもらいました。」
―今日のランチもかなり混んでますし、リニューアル後の反応はすごく良さそうですね。
「おかげさまでお客さんからの反応はイイですね。ただ、メニューについては色んな意見がありますかね。僕も内装のことばっかりやって、料理自体のテコ入れはそんなに出来てなかったもんでもう一回やらないかんなと思ってます。」
―新しい試みがあるとお聞きしました。
「ホテルオークラエンタープライズ様 の福井シェフとご縁がありまして、年明けには面白い企画が出来そうなんです。なかなか実現できない企画なので、お客さんにお届けするのが楽しみですね。」
―これからの展望についてもお聞かせ下さい。
「売り上げとかそういうのはもう良いんです、とにかく自分自身が納得出来る仕事をしたいですね。自分の中で恥ずかしいことがいっぱいあるんで、それを一つずつクリアするだけですね。自分の料理の腕もそうだし、すぐ怒るとこもそうやし(笑) 最近怒らないです、ホントに怒ってないな…。この前久しぶりに怒ったけど(笑)」
Deux AMI style&cafe
四万十市具同田黒1丁目12-41
TEL 0880-37-0900
営業時間 10:00~20:30
定休日 第2・第3水曜日
✂―――――――――――――――
有限会社 せいぶ印刷工房
四万十市荒川1039-6
TEL 0880-37-2000
FAX 0880-37-3888
四万十まるごと・はたも~らの最新情報はコチラ
※この記事は2016年7月発刊予定の「はたも~らVol.42」に掲載されました。是非ご覧ください。