―お米のような食パンを目指して
黒潮町浮鞭に小さな食パン屋「Early Bird The Bread Stand」が5月30日にオープンしました。メイン道路から1本入った住宅地にお店を構えているにも関わらず、インスタグラムの影響もあり、瞬く間に完売御礼という当初の予想を超える人気を博しています。もともとは神戸で和風居酒屋を経営していた西澤さんご夫婦。和食の料理人だった西澤さんがどうして食パン作りをゼロからスタートし、黒潮町でお店をオープンする事に至ったのか聞きました。
▲左は西澤優子さん、B型のおうし座。右がご主人の永至(えいじ)さん、A型のおとめ座で、ともに43歳。
和食の料理人からパン職人へ
ー以前はどんなお仕事をされていたんですか。
高校在学中から寿司などの和食職人の仕事に就いてました。24歳で独立して、神戸元町でテナントの2階に和風居酒屋の店を出しました。高知からカツオを取り寄せたりしてましたね。10年くらいやって、芦屋に移転してからは路面店でもう少しカジュアルなお店で焼き鳥屋を6年やってました。」
ーどういうキッカケで高知に移住したんですか。
「幡多の海と自然がすごく好きで13年前から来るようになって、いつか高知に住みたいと考えていて2年前に引っ越してきました。」
和食と食パンの共通点とは
ー和食から食パンだと、全然違うように感じます。
「料理のつながりで言うと和食とイタリアンで何が違うって言ったら、使う材料が違うだけでやることは一緒なんです。その流れで飲食から離れた感じもしない食パンになった。最初は怖かったけど、やってみたら奥が深いから面白いなと思ってきたんです。」
ー研究して発売までどのくらいかかったのですか。
「2年くらいかな。最初はお客さんに出せるものじゃなかったけど、仕事とお店作りをしながら設備を整えて、毎日練習してました。今までに食べてきた食パンに近づけていくのが難しかったです。」
ーすぐに飽られないか心配ではありませんか。
「それは周りのみんなが言ってたから覚悟のうえでした。それが思った以上にインスタを見てる方以外のリピートが多いんです。近所の方が週一回のペースで買いに来てくれたりとか生活の一部に取り入れてくれてるのを感じます。」
▼早速、地元のお客さんが来店。
▼この看板が目印。
素材を活かした味
ーパンの原料のこだわりを教えてください。
「自然界にある安全なものしか使わない事と、オーガニック小麦粉です。」
ー無添加にたどり着いた理由は何ですか。
「やっぱり前の仕事ですね、化学調味料はどうしても使いたくなかった。美味しいって感じるかもしれないけど、本当の素材の美味しさはないと思う。出来れば、子供達に添加物を食べさせたくない。そこが基準で、自然の物だけを使って作ると一番美味しいですよね。今は添加物を入れて日持ちさせたりも出来るけど、それは余分なものが入ってるわけで体にはよくない。普通のパンを食べてもイーストの匂いが鼻につくんですね。それがイヤだったから天然酵母を使ってます。だからマーガリンとかショートニングも一切使ってません。」
▼ぜひ一度、ご賞味下さい。
▼リピーターらしきお客様も来店。
大切にしているコト
ー小麦粉はどこのを使ってますか。
「アメリカのオーガニックですね。国産だとオーガニックの小麦粉はほとんど手に入らないんです。北米とかカナダとか北の方だけオーガニックの基準に達してるやつがあるんです。その小麦粉を使わないと、いまの味にならないですね。」
ーパンはどのくらい日持ちするのですか。
「例えば、9月だと冷蔵庫で保存していただくと3~4日は大丈夫。」
-店内もオシャレですね。
「落ち着ける空間を作りたくて、それはめちゃくちゃ考えましたね。間取りをどういう風に配置するとか、キッチンのタイルとか目地の色まで。鉄骨の錆止めの赤茶色も気に入ってます。黒にしたらブルックリン風になるから、あえて赤茶色にする事で倉庫やガレージ感を出したかった。それと海の近くなので海の雰囲気も意識してます。店内のイメージカラーはロゴに合わせて白×ブルーです。自分達でデザインも施工もDIYで作りました。」
-これからについて聞かせて下さい。
「安心して食べられるモノをずっと作り続けたいなと思いますね。そこは絶対ですね。自信をもって出せるものしか出せないですね(笑)売り切れが早いのは本当に申し訳ないです。営業日の朝8時から電話で予約して貰えたら取り置きも可能です。これから設備を整えて、品質は保ちながら、より多くの方に食パンを提供できるようにしていきたいです。」
問い合わせ
Early Bird The Bread Stand
高知県黒潮町浮鞭2078-3
営業時間 8:00~16:00
定休日 日曜日、月曜日
TEL 0880-31-3918
▼オリジナルのマグカップがキュート。
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※この記事は2019年10月発刊の「はたも~らVol.55」にも掲載されました。是非ご覧ください。