感覚を研ぎ澄ますことの大切さ
四万十市古津賀の住宅地に完成したパンとお菓子の店”マニマニ”を訪れました。これまでは店舗を持たない移動販売でしたが、パン好きの間では話題になっていたマニマ二。それだけに今回の路面店の完成を待ちわびていたファンも多いことでしょう。以前から聞いてみたかった数多くの事柄について店主の小谷有佳さんにインタビューを行いました。
▼小谷有佳さん(30)血液型はA型、好きな映画はマーベルシネマティックユニバースのヒーロー映画。
24歳でパンの移動販売をスタート
-パン作りを始めたのは何年前ですか。
「18歳で東京の専門学校に入学してからですね。お菓子作りの学校で、パン作りもしてました。卒業してからは個人のフランス菓子屋さんに勤めて1年くらいで辞めてからは色々とバイトしようと思ってフリーターをやってました。東京から帰ってきてから、パンの移動販売を24歳で始めました。」
ーどうしてパンの移動販売だったのでしょうか。
「最初から店舗を構えるほどの技術や資金、そして覚悟も備わってなかったので、こじんまりとした工房からスタートしました。小学校の時にお惣菜とか干物を売りにきてたのと、東京でも自転車で売っている人をよく見かけたので知り合いもいるし、知ってる所に行こうと思って始めました。」
ー人気の手応えを感じたのはどれくらいの時期でしょうか。
「海辺の日曜日に出て2~3ヶ月後くらいですね。海辺に出店したのが1~2年目で最初はパンが売れ残りました。それが3年目くらいから、ほぼ全ての商品が売り切れるようになったんです。
お店はパンを引き立たせるツール
-パン作りへのこだわりを教えて下さい。
「最低限の材料で作ることですね。パンの基本的な材料が<水・粉・塩・酵母>なんです。食べ物の足し算が好きじゃないので”何かと何かを掛け合わせて新しいモノを作りだそう”というのが好きじゃないので、基本を守るようにしていますね。材料は出来るだけ近くの産地を選びます。粉が九州産で卵は愛媛、バターも九州産を使ってますけど、手に入らない時は北海道産に変えてます。こだわり過ぎて値段が高くなるのも違うと思うので、その辺りはバランスを考えています。」
ー新しく完成したお店についても聞かせて下さい。
「額縁みたいなお店にしようと思ってました。額というのは絵を引き立たせる為の道具ですよね。額が目立ってしまうと絵は見えないじゃないですか。自分がつくるものは派手ではないので私の考えを大工さんにお願いしました。建築家の中村好文さんや吉村順三さんの建築が大好きなんです。今回お願いした大工さんの家づくりにも同じものを感じたのでお願いしました。」
ー店内も自然素材でつくられてますね。
「以前の工房がキッチンパネルを張っていて結露がひどかったのと、化学物質が好きじゃないので極力なくして床や天井、それに照明まで自分の手の届く範囲で選びました。」
「まだ準備が出来てないだけです(笑)東京にいた時に何のお店か分からないところがいっぱいあって、そういうお店に入るのが好きなので、なくても良いかなとは思ってますね。100%親切に何もかも説明してしまって情報が多過ぎるのは良くないと思うんです。お店に入ってみたらパン屋だったとして、買おうかな買わないかなという感じで良いと思ってます。」
-人を増やして、もっと数を売ろうと考えませんでしたか。
-小谷さんが大切にしていることは何ですか。
「私にとって食べ物に関わる仕事で一番大事なのは作り手の味覚ですね。味覚さえちゃんとしていれば大丈夫だと思ってます。水道水を飲まないとか化学調味料を口にしないとか自分の持っている味覚をどこまで研ぎ澄ませるかが最も大切です。美味しいと感じた時に、どうして自分は美味しいと感じたのかを考えながら食べないといけないと思ってます。すごく美味しいものを食べたら、今まで美味しいと感じていたものがそうでもないと感じたことはありませんか?味覚の経験値はそういう事だと思います。」
料理教室とお惣菜をやってみたい
-有名なパン屋さんにも行かれたりしますか。
-これからどんなお店にしていきたいですか。
問い合わせ
Bake Shop manimani
高知県四万十市古津賀3-82-1
営業時間 12:00~パンがなくなり次第、終了
定休日 月、火、水曜日
TEL 090-8691-5298
instagram pw_mani_mani
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※この記事は2020年1月発刊の「はたも~らVol.56」にも掲載されました。是非ご覧ください。