ーファッションを通して、みんなに伝えたいコト。
四万十市アーケード街を舞台に、市と県のサポート事業であるチャレンジショップTJBを10月末で卒業予定のHANDS ME UPS(ハンドミーアップス)さんを訪ねました。11月1日からは四万十市アーケード内にある近隣の空き店舗をリニューアルしてお引越し予定、よりパワーアップしたラインナップがお目見えしそうです。いつも真剣にふざけている仲良し夫婦である石川友彬さんと奥さんの真菜美(まなみ)さんにご登場頂きました。インタビューに答えてくれるのはご主人である友彬(ともあき)さんです。新店舗の話から洋服を通して伝えたいことや”にがり”を使ったヘアセットまでざっくばらんにお聞きしたいと思います!
▼石川友彬(いしかわ ともあき)さん。 今年31歳を迎える、影響を受けた映画は『ザ・トゥルー・コスト』
洋服の仕事が自分にいちばん合っている
―お二人のご出身はどちらですか。
「僕が山口県で奥さんは鹿児島です、出会ったのは福岡だったのですが、中学生から洋服が好きでファッション学科のある専門学校に進学したのが福岡でした。」
―福岡での学生時代はいかがでしたか。
「ファッション学科の専門学校に一年だけ通いましたけど、本当は二年間だったんですよ。でも、全然イメージしていた勉強とは違っていて講義が主体でミシンは置いてあるけど一切使わなかったので、一年で辞めて大阪のカバン工場に就職して裁断係に就きました。そこで、バッグのおおまかなパターンが分かってきてミシンはほとんど独学で覚えました。でも、大阪での生活がしっくりこなかったので、宿毛でゲストハウスをやらないかと言われて宿毛に移住して来たんです。」
―洋服はいつから好きなんでしょうか。
「福岡の専門学校に通いながら、アルバイトでアパレル店員をしてました。いつか古着屋を出来たら良いなと思っていて、宿毛でゲストハウスを始めて1年経つ頃にチャレンジショップの事を知ってやってみたい!と思ったんです。今までの仕事で、この仕事が一番合ってると思います。」
―お店を始めて、どんな時が楽しいですか。
「たくさんありますよ(笑) 洋服の買い付けやオリジナルバックの製作もほとんど自分で考えられる事がすごく楽しい。それとデニムの修理が出来上がって、お客さんに渡した時なんか最高ですよ。『ありがとうございます!』って言われるのが嬉しいです、それが一番ですね。めっちゃ気に入ってた古着がお客さんに似合ってて、もう買ってください!みたいな瞬間とか。自分がセレクトした商品がお客さんのオシャレの一部になるのが嬉しいです。」
▼天神橋アーケード内にあるチャレンジショップ、市と県のサポート事業。
新しいお店は、みんなの居場所をつくること
―11月1日からは新店舗が出来るそうですね。
「場所は天神橋アーケード内で、今の店舗からすぐ近所にある安心堂さんがあった店舗です。店舗改装の補助金が市と県から出るので、200万円を上限に自己負担金25%位で出来るので申請中している最中です。」
―どんなお店にしていきたいですか。
「オシャレなお店(笑) 人が自然に集まって、フラッと遊びに来れるような場所がいいなと考えてます。買いに来るというよりは交流できるお店。移住者の友達もいるけど集まる場所があまりないし、お店でたまにはワイワイしたいというのが自分達もあったので居場所作りが出来たら良いなと思ってます。」
―仕入れはどこからですか。
「今は関西がメインですね。普通の古着からヴィンテージやブランド古着まで幅広く仕入れてます、今後は海外にも広げていくつもりです。新店舗では古着を60%、雑貨を20%で手作りのオリジナル商品を20%の商品構成で考えています。HPも準備中です、デニムのお直しも県外や遠方の方からも対応出来るように進めていきたいです。」
―「洋服のお直し」にも力を入れているそうですが、どんな相談が多いですか。
「デニムのリペアと裾上げがメインですね。ほとんど男性で40代~50代の方が多いです。」
▼ハンドクラフトで作るオリジナル商品、デニムや帆布が使い込むほどに味わいが増す。
ヘアセットは『にがり』を使う
―話は変わりますけど、今日の髪形はセットにどれくらい要してますか。
「10分位かな。髪質が結構かたいので、ドライヤーだけで大丈夫ですけど『にがり』を付けたらかなり良いですよ。」
―『にがり』って何ですか。
「塩を作る時に出る液体ですよ、ミネラル豊富な液体で海に入った後に髪がゴワゴワになるじゃないですか。『にがり』を付けたらあんな感じの仕上がりになりますよ。自分達は出来るだけ自然のモノを使いたいから、セレクトしている洋服も天然繊維が50%以下のモノは取り扱いしてないです。」
―それは、どうしてでしょうか。
「環境負担を少しでも減らしたいからです。フリースとかアクリルセーターは洗う度にプラスチックが海に流れてしまいます。それを少しでも減らしたいし1人でも多くの人に知ってもらいたい。洋服に携わる以上、それは外せないですね。農業も1年前からやってますが、無農薬で育てているので、その考えをファッションにも取り入れています。みんな洋服は毎日着るものだから一人でも変われば違ってくると思うし、固い考えではなくて、自然体で力を抜きながら少しずつ買うアイテムを変えていく提案をしていきたいですね。」
―最後に、石川さんの洋服へのコダワリを教えてください。
「僕の考えはどう着るかじゃなくて、ファッションをどう楽しむかが重要なんです。着こなしとかはあまり考えません。バランスとか着こなしは本人が良ければ良いと言うのが僕の考え。本人が楽しんでるかどうかが大切だと思ってます。僕の場合は趣味に合った服しか持ってないから適当に組み合わせても成り立つし(笑)。面白いと思うのは海外のスナップとか、オシャレなおばあちゃんたちを撮りためたスナップが参考になります。服を着ることは生活の一部だし、その人の考えが凄く出るのでファッションは思想だと思います。」
▼海外のスナップを参考に、自然体で自由に洋服を楽しんでいる。
お直しと古着のお店 ハンドミーアップス
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※この記事は2020年10月発刊の「はたも~らVol.59」にも掲載されました。是非ご覧ください。