「商売を始めた理由は、人と接するため。」
四万十市中村山手通りでキッチンカーとしてスタートした「揚げもん屋 長田」が今年6月に「下町屋台 長田」としてリニューアルオープンしました。気さくな人柄の西村篤志さん(61)が作る手頃な価格で美味いと評判の店内には馴染みの常連客が足繫く通う、隠れ家的な人気店です。長年勤めてきた会社を退社後に始めた、第2の人生についてお聞きします。
▼西村篤志(にしむらあつし)さん。いて座のA型。
―四万十市へ移住してきた経緯を教えて下さい。
「神戸の長田からは阪神大震災が来てから離れたね。家も潰れたし、再開発が進んでから街並みも変わってしもうたけん。その後は整備士の資格を取って働いて数年経ったときに独立したかったけど資金を用意出来んかった。それで諦めて兵庫県加古川で宅配業者に入ってから30年勤めました。転勤願いを出してから四万十市に引っ越してきたんやけど、本当はサーフィンをしたかったのが理由(笑)。」
―店舗もご自身で建てられたそうですね。
「具体的な完成形があったわけではなくて、建てていきよるうちに結果的にこんな形になりました。神戸の長田区で育って、自宅の周りはこんな店ばっかりやったけん。洒落た今どきの建物なんかほとんどなかった。自分にとっての居酒屋いうたら昭和のイメージやね。」
▼西村さんの原風景である昭和の居酒屋。
―お店を始めた経緯を教えて下さい。
「年齢的に定年後のことを考えた時に、元気なうちにこれまで関わったことのない人達と触れ合うことが必要やと思って商売を始めたんです。人と接することで生活にハリが出るけん、長生きも出来ると思うてね。生計を立てようというよりも、老後の楽しみで始めたかな。実際に商売を始めてみたら楽しくて4年近くサーフィンには行けてない(笑)。」
―おすすめのメニューを聞かせて下さい。
「僕の育った長田のソウルフードを提供しています。串カツは全般オススメで、最近よく出るのは「ぼっかけ焼きそば」ですね。ぼっかけとは長田で言うスジコン、牛すじとこんにゃくを甘辛く炊いた料理です。それを焼きそばに入れてます。これは甘めの味付けになるのでお客さんにも合うんじゃないかな。幡多であまり知られていない新メニューを定期的に試作して美味いと言ってくれたらメニューに追加するようにしてます。」
―これからやりたい事はありますか。
「最初はキッチンカーを作る会社をやりたかったんですよ。キッチンカーを作りよった時によく思うたのは若い子たちのお手伝いがしたいと考えてました。幡多の若い子らって職が少ないし、商売始めるにも資金もない。だから都会に出ていくでしょ。僕らが作るキッチンカーだったら安く提供出来ますし。」
▼<下町屋台 長田>の外観。
―西村さんが今思っていることを聞かせてください。
「地元の人ともっと関わりたくて、お店を始めてからは深く付き合えるようになったと思います。商売をやってなかったら表面的な近所付き合いくらいしか出来んけん。それで移住者は移住者同士で固まりやすいじゃないですか。僕は幡多に来てから8年経っても移住者みたいな顔しとってもいかんと思って、自分の気持ちを変えることも大切やし、自分から周りに溶け込んでいく事も大事やと思っています。自分達夫婦に子供がおらへんこともあるけど、何かしら幡多の若い子らの手助けがしたいなと考えてます。」
▼店内に並ぶメニュー、おすすめのぼっかけ焼きそば。
下町屋台 長田
〒787-0028
高知県四万十市中村山手通37-3
営業時間
平日 15:30~20:00(Lo 19:00)
土日祝 12:00~20:00(Lo 19:00)
定休日 水曜日&店主の都合
TEL 070-2430-6596
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※この記事は2023年10月発刊の「はたも~らVol.71」にも掲載予定です。是非ご覧ください。