「よさこい四万十は、これからもっと成長していく。」
今年で第14年目を迎える<よさこい四万十>の発起人である鴨居永光さん(47)と今年度の委員長に就任した北澤祐紀さん(38)をお迎えしました。近年ではコロナ禍による2年連続の延期に加えて、一昨年は台風直撃による開催中止を経験。様々な試練を乗り越えて開催された昨年は経済効果3.5億円という予想を超える反響と大きな感動を四万十市へもたらしました。そして、今年は初の試みとなる9月14日と15日の2日間に渡って開催されます。今年のよさこい四万十に懸ける2人の思いをそれぞれにお聞きします。
▼左側は発起人の鴨居永光(かもいえいこう)さん。右側は本年度委員長の北澤祐紀(きたざわゆうき)さん。
―よさこい祭りとの出会いを教えて下さい。
鴨居「24歳の時に会社が高知市の愛宕商店街の近くにあって、愛宕商店街もよさこいのチームを11年ぶりに出すというタイミングで当時の上司から『よさこいを一回体験してこいや。』と言われて参加したのが一番最初かな。それから3年間は踊り子として参加して、その後13年間スタッフから始まり責任者までやらせてもらいました。6年目で中村に帰ってきてからもずっと高知に通って参加したね。30歳で地元に帰ってきて、中村でよさこいをしたいという気持ちはすごくあった。どうして全国200ヶ所以上にまで広がりを見せているよさこいが高知県内の中村で出来んがやろう。よさこいをいつか中村でやりたい、そしてよさこいのチームを立ち上げたいという気持ちがずっとありました。」
―これまでに、よさこい四万十を開催することへの反対意見もたくさんあったそうですね。
鴨居「よさこい四万十は1年目から予想もしてなかった反響があったことで、2年目以降もやろうという話になって最初の6年間は自分一人で資料を作って、協賛を集めて説明会も全部やった。それに皆さんが手伝ってくれて、祭りが成り立ちよった。これまで開催してきた中で『どうして高知の祭りをこっちに持ってくるのか』という批判を含めて色んな事を言われた。
でも胸の中では『短い杭は打たれるけど、出過ぎた杭は打たれん』という反骨心をずっと持っていたからやってこれた。すごいしんどい思いもあったけど、第1回目の開催で天神橋の両端に観客がいっぱいになって、おじいちゃんやおばあちゃんがうちわをあおぐ姿とか、サンリバーで初めて見るよさこいに今まで見たことないような喜び方をしてる観客の姿を見たら、今年もやるしかないという気持ちになる。よさこい踊りならではの熱気が会場の隅々まで充満して、踊り子だけじゃなくお客さんの笑顔も見たことのない輝きを見せる瞬間があるからこそ続けてこられた。」
▼フラフが青空を縦横無尽に舞う。
―いままでに最も大変だったことは何でしょうか。
鴨居「一番大変やったことは、毎年開催するためのお金を集めることやった。正式によさこい四万十として補助金を貰うようになったのは2年前からやけど、僕は正直言って補助金を貰いたくなかった。よさこいを補助金頼みの継続事業のお祭りにはしたくなかったのがホンネ。周りからは補助金を貰うように以前からずっと言われたきたけどチームから参加費を貰ったり、協賛を募ってなんとか続けてきたけど、このご時世でなかなか協賛も集まらんし、祭り自体も大きくなったから昨年から補助金を頂いて開催しています。」
―昨年のよさこい四万十2023は大盛況だったと思います、運営側としての実感はどうでしたか。
鴨居「コロナで2年間中止になった翌年に第5類にやっと移行して感染症対策を取りながらのよさこい祭りという手探りの状況で段取りが終わってからの台風直撃による中止。でも、その準備期間を経たことで去年の祭りに対しての自分達のモチベーションが観客動員にもつながったと思う。ただ、3年間の空白を経てからのお祭りは段取りがものすごく大変。元気やった人が長い間入院した状態で退院してから、すぐに仕事せぇっていう状態やね。」
▼昨年のフィナーレ、総踊りの風景。
―最初は鴨居さん一人から始まったイベントですが、年々大きな“うねり”を起こせるイベントになっていると思います。メンバーの皆さんに伝えたい思いを聞かせて下さい。
鴨居「僕も50歳になるけん、YEG(商工会議所青年部)を卒業したら運営には関われなくなる中で是非とも繋いでいって欲しいし、僕はおらんなっても続いていく事はものすごく嬉しい。これまで運営スタッフも少ない上に集まるお金も少ないから、チーム数や会場を減らそうとか時間帯を短くしようという意見がこれまで何度もあったけど、その声を何とか必死に食い止めてきたわけです。ちょっとでも妥協とか縮小してしまうとお祭りは衰退すると僕は思う。よさこい四万十はまだまだ成長段階のお祭りやけん、チーム数が1チーム増えるとかどんな事でも良いから前進し続けることが大切。毎年委員長が変わる仕組みやけど、この思いだけは承継していきたい。」
▼撮影中の一コマ、撮影も自然体のおふたり。
―それでは今年度の委員長に就任しました北澤さんにお聞きしたいとも思います。委員長の打診を受けた際のお気持ちを聞かせてください。
北澤「『あぁ、きたか。』いうのが第一印象ですね。昨年くらいから少しずつ委員長をやって欲しいという話はありましたけど、正式に依頼されたときは、やっぱり来たかという気持ち(笑)昨年初めてこのイベントに参加してみて、今年はどんな祭りになるのかワクワクする気持ちと大変な重役を引き受けてしまったという気持ちと両方です。」
―初めての開催となる前夜祭についても聞かせて下さい。
北澤「今年は皆の段取りも整いつつある中で、現状維持だと自分の考えとしても衰退していく一方だと思ったので前夜祭を企画しました。内容は2日目に開催されるよさこい四万十の本祭に出場するチームから参加を募って、開催場所はしまんとぴあで行います。近隣住民にも配慮して時間を限定して少ないチーム数で演舞を行ってラストは観客と一緒にミニ総踊りを予定しています。」
―今年行われる、よさこい四万十への意気込みを聞かせて下さい。
北澤「昨年はすごく天気にも恵まれて観客の動員数や参加チームも最多記録を更新して、すごく充実したイベントになって好評だったので、今年も何とか参加チームを増やして、観光客や地域住民に楽しんで貰えるイベントにしたいです。よさこい祭りってこういうものだということを体感してもらえたら、一番いいかなと思います。」
よさこい四万十実行委員会
事務局 中村商工会議所
[Tel] 0880-34-4333
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※この記事は2024年7月発刊の「はらも~らVol.74」に掲載予定です。ぜひご覧ください。